趣味は映画の研究と映像収集。暇さえあれば作品鑑賞をしてますが、まだ未見の作品が棚にドッサリ・・・。香港・台湾・韓国・日本以外にも、東南アジア方面のアクション映画に関しても紹介します。
by moviefan-z


カテゴリ:公司:邵氏兄弟公司( 4 )

『無法無天飛車黨』

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原題:無法無天飛車黨
英題:Killers on Wheels
製作:香港:邵氏兄弟有限公司,1976年

【物語】
 休日を別荘で過ごすために小島を訪れた郭靜中ら男女四人だったが、同じ小島を訪れていた暴走族に絡まれてしまい、彼らの過剰な悪戯を受けてつい反撃に出てしまった郭靜中は完全に標的にされてしまう。やがて暴走族は郭靜中らの別荘を襲撃し始め・・・。

【解説】
 結局は天映娯楽社から未発売に終わってしまった現代猟奇犯罪アクション映画の傑作。桂治洪監督が描き出す、ヴァイオレンス・アクション・エロスの三要素が練り込まれた独特な世界観は凶気に満ち溢れており、特に終盤の破壊と暴力の限りを尽くす暴走族集団と、彼らの手によって明るかった人生をどん底へと突き落とされた主人公の郭靜中による残酷大攻防戦は凄まじいの一言。
 主人公の郭靜中役を演じた凌雲は台湾出身の二枚目俳優。57年に本名の林龍松から龍松へと改名し、台湾の玉峰影業公司の俳優訓練生として数多くの台湾映画に出演している。64年に中国出身の脚本家で、当時香港の邵氏兄弟有限公司に活動の拠点を移していた潘壘監督に招かれ、正式に邵氏専属俳優として契約し、芸名を龍松から現在の凌雲へと改名している。また、暴走族集団相手に死闘を繰り広げた後、壮絶な最期を遂げる郭靜中の友人役として李修賢が客演している。

【参考資料】
映像 :北京語音声,英語字幕版CI

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by moviefan-z | 2010-09-08 14:15 | 公司:邵氏兄弟公司

『新死亡遊戲』

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邦題:新死亡遊戯 七人のカンフー
原題:新死亡遊戲
英題:The New Game of Death
製作:台湾:藝雲影業公司,1975年
配給:香港:邵氏兄弟有限公司

【物語】
 ある夜、青年の漢雄はナイフを持った暴漢から一人の男性を救う。男性は大事に持っていた箱を彼に渡すと、その場を逃げるように去って行く。漢雄は不審に思い、渡された箱を確認すると中には大量のドル紙幣が詰められていた。やがて、箱を狙う犯罪組織に恋人を誘拐され、七星塔の最上階に監禁されてしまう・・・。

【解説】
 一年間、台湾の高雄で兵役に就いていた黎小龍こと何宗道が除隊後に主演した『死亡遊戯』(78)の偽映画で、驚いた事に本家より一足早く公開された。実はこれまで台湾映画界で偽李小龍武打星として活躍して来た何宗道の元に本家の製作会社である嘉禾電影有限公司から李小龍の代役の依頼が届いていたのだが、諸事情で本家代役の件を断り、本作のような偽映画に主演してしまったのだ。
 結果的にはご存知の通り酷いもので、七星塔内での異種格闘技戦に関してはまだ完成もしていない本家に泥を塗るような出来に仕上がっており、さっさと映画を公開して金儲けをしようと企む製作会社側の悪意を感じられる。本作の東南アジア方面の配給権利は邵氏兄弟有限公司が買収したらしく、同年に製作された『実録ブルース・リーの死』(75)を含め、これらは恐らく邵氏による嘉禾に対する嫌がらせなのかも知れない。
 主演の何宗道に関しても何となくやらされている感があり、彼の売りである李小龍アクションも普段と比べて切れ味が悪くて迫力不足だった。やはり本作に主演したのを後悔したのか、芸名も黎小龍から本名の何宗道へと戻し、偽李小龍武打星から正統派武打星として本格的に香港映画界へと進出して行く。

【参考資料】
映像 :北京語音声,中文字幕版VCD
     英語音声版DVD
書籍 :『カンフー映画大全集』(近代映画社)
     『Here Come the Kung Fu Clones』(Carl Jones氏)
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by moviefan-z | 2010-08-25 20:35 | 公司:邵氏兄弟公司

『李小龍與我』

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邦題:実録ブルース・リーの死
原題:李小龍與我
英題:Bruce Lee and I
製作:香港:丁珮影業公司,1975年
配給:香港:邵氏兄弟有限公司

【物語】
 李小龍の突然すぎる死は世界中のファンを驚かせた。その時、彼の死の現場に居たのが愛人と噂されていた丁珮だった。世間の非難を浴び、精神的に追い詰められた彼女はバーで知り合った店長に、李小龍との出会いや死の真相について語り始める・・・。

【解説】
 実生活上で李小龍の愛人として世間を騒がせた丁珮が自ら原案と主演を務めた史上最低の問題作。李小龍関係者が観たら激怒して裁判沙汰にまで発展するんじゃないかと思われるほど、伝説的武打星の人物像を破壊するかのような酷い内容は非常に不愉快で腹立たしさが込み上げて来る。本作はブルースプロイテーション映画ではなく、丁珮の偽り自伝映画と言った方が良いかも知れない。
 本作で李小龍を演じるのは邵氏兄弟有限公司で張徹監督が率いる張家班の若手武打星として活躍していた李修賢。一体どのような経緯で李小龍役を貰ったかと言えば、どうも偶然彼を見かけた丁珮が「彼が一番李小龍に似ているわね」の衝撃発言が原因のようだ。劇中では丁珮と李修賢による濃厚な濡れ場が何度も流されるが、観ている側とすれば気が滅入るばかり。丁珮は自ら性悪女である事を主張しているかのようだし、正統派武打星として期待されていたであろう李修賢も本作以降は色々な意味でぶっ壊れて行くのであった。

【参考資料】
映像 :北京語音声,中文字幕版DVD
     イタリア語音声版DVD
書籍 :『カンフー映画大全集』(近代映画社)
     『映画秘宝 2004年11月号』(洋泉社)
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by moviefan-z | 2010-08-11 20:31 | 公司:邵氏兄弟公司

『大酔侠』

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邦題:大酔侠
原題:大醉侠
英題:Come Drink With Me
製作:香港:邵氏兄弟有限公司,1966年

【物語】
 両江総督の息子、張歩青を人質として捕らえ、投獄された首領の釈放を迫る山賊団の玉面虎らの要求を無視した総督は、張歩青の妹で金燕子と呼ばれる女剣士、張熙燕を敵地に送り込む。何度も襲い来る山賊団の攻撃によって窮地に陥られた張熙燕を救ったのは、醉侠と呼ばれる乞食の容姿をした剣客、范大悲であった・・・。

【解説】
 国際的に評価の高い巨匠として知られる胡金銓監督の最初期の傑作であり、初めて手掛けた武侠映画。人を斬る際に血飛沫が噴き出すなどの残酷描写、手に汗握る一対数十人の真剣勝負など、これまでの武侠映画では重要視されなかった、西洋の西部劇や日本の時代劇などの雰囲気を付け加え、さらに胡金銓による映画の剣戟アクションと伝統的な京劇スタイルを融合させた〈京劇の映画的アダプテーション〉と呼ばれる斬新な演出方法が取り入れられ、これが成功を収める。以後は香港と台湾において〈新派武侠片〉と呼ばれる新たな武侠映画ブームを巻き起こし、近代武侠映画の基礎を築いた。
 物語は金燕子こと張熙燕と山賊団の闘いを描いているのだが、題名にある通り、実際は張熙燕を影で支える乞食の容姿をした剣士、酔侠こと范大悲が主人公である。張熙燕と比べると出番が非常に少ないのだが、終盤では張熙燕に代わって山賊団と手を組んだ兄弟子の了空大師と壮絶な気功合戦を繰り広げるという中々の活躍ぶりを披露する。個人的には范大悲よりも張熙燕の方が印象が強く、正直に言えばこのまま最後まで張熙燕を主人公として活躍して欲しかったが、さすがに題名にもなっている范大悲を脇役のままで終わらせるのは不味かったのだろうか。
 主人公の張熙燕は女性ながらも凛とした姿が魅力的で、美しくも驚異的な二刀術で山賊団を斬り倒して行く。張熙燕役を演じたのは、当時まだ新人女優として邵氏から売り出されていた鄭佩佩。日本映画好きな胡金銓の演出のお陰か、彼女の戦闘姿や間の取り方はやはり日本の時代劇を思わせる。本作の成功から、邵氏製作の武侠映画に立て続けに主演した彼女は〈武侠影后〉の称号を得て、70年に結婚引退を機に渡米した。また、本作へのオマージュを捧げた李安監督作『グリーン・デスティニー』(00)にも出演しており、劇中では冷酷な女剣士、碧眼狐狸を演じて第20回香港電影金像奨最優秀助演女優賞を受賞している。
 他にも本作では、范大悲役で岳華 、了空大師役で楊志卿、玉面虎役で陳鴻烈、玉面虎の手下役で李允中、韓英傑、谷峰、袁小田、馮毅、趙雄、王若平、乞食の子供役で火星、徐忠信、寺の小坊主役で程小東、張熙燕が率いる女兵士役で潘迎紫が出演している他、撮影監督に賀蘭山こと西本正、武術指導も兼任している韓英傑の助手として無名時代の洪金寶が参加している。

【参考資料】
映像 :北京語音声,中英文焼付字幕版VHS
     北京語音声,日本語字幕版DVD
書籍 :『大酔侠』封入解説書 ※国内版DVD
     『キン・フー武侠電影作法』(山田宏一氏、宇田川幸洋氏,草思社)
     『カンフー映画大全集』(近代映画社)
     『邵氏光影系列 武侠・功夫片』(三聯書店)

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by moviefan-z | 2009-11-15 21:03 | 公司:邵氏兄弟公司