趣味は映画の研究と映像収集。暇さえあれば作品鑑賞をしてますが、まだ未見の作品が棚にドッサリ・・・。香港・台湾・韓国・日本以外にも、東南アジア方面のアクション映画に関しても紹介します。
by moviefan-z


カテゴリ:   :通用影業公司( 1 )

『神威三猛龍』

a0221045_9561923.png














邦題:クローン人間ブルース・リー 怒りのスリードラゴン
原題:神威三猛龍
英題:The Clones of Bruce Lee
製作:香港:威靈影業公司,1980年
配給:香港:新通用電影公司

【物語】
 李小龍が死去した後、英国秘密諜報部のSBIは、世界平和のために悪を滅ぼす正義のクローン人間を作り出すことを考え、李小龍の遺体から細胞を採取した。SBIに依頼され、無事に三体のクローン李小龍を作り出したルーカス博士は、彼らに洗脳装置を取り付けて思い通りに動かすように仕掛けた。こうして、SBIとルーカス博士の指揮の下、三体のクローン李小龍は犯罪組織に立ち向かうのだが・・・。

【解説】
 恐らく数多く製作されたブルースプロイテーション映画の中でも、抜群の知名度と絶大な人気を誇る大怪作。各方面で活躍する低予算映画職人が総力を結集、香港映画の底力を見せてやる!と言わんばかりに海外市場を狙って製作した結果、世界中の映画マニアを驚かせた。その理由はずばり〈偽李小龍武打星の共演)にある。以前から偽李小龍御三家の何宗道・呂小龍・巨龍の主演作を海外市場に配給して成功を収めていたスペクタクラー・フィルムの社長、ディック・ランドールの呼び掛けもあり、香港の威靈影業公司と通用影業公司が製作に参加することとなる。本作の売りであるクローン李小龍役には、これら映画会社と最も関係の深かった呂小龍・巨龍・郭思治が選ばれ、威靈の張從龍が製作総指揮、通用の黎致平が製作、何志強が助監督、フィリピン華僑で自身の映画会社の英珊影片集團で呂小龍と映画製作を共にして来たジョセフ・ヴェラスコこと江洪が監督、スペクタクラーのディックが海外配給を担当している。
 本作の仕上がりを観て分かる通り、滅茶苦茶な物語と登場人物、クローン李小龍を生み出す近未来的装置の安っぽさが目立つ。ルーカス博士役で本家『ドラゴンへの道』(72)で知られるジョン・ベンを特別出演させたのは良かったが、怪鳥音を鳴り響かせる三体のクローン李小龍やその他多くの突っ込所が満載過ぎて、さすがに彼の存在感は薄れていた。
 また、最大の見所として期待していた呂小龍と巨龍の夢の・・・いや、悪夢とも言える共演だが、実際に彼らが同時に登場するのは終盤の対決場面のみ。肝心なアクションに関しては、怪鳥音を発しながら呂小龍が蛇拳、巨龍が蟷螂拳と、李小龍の雰囲気が感じられない間違った戦闘スタイルで迫力不足気味。ちなみに、彼らが顔を合わせるまでは別々に撮影され、主に呂小龍はタイ、巨龍は香港の撮影に参加しており、随所に他作品からの場面流用も確認できる。

【参考資料】
映像 :英語語音声,日本語字幕版VHS
     英語音声版DVD
書籍 :『Here Come the Kung Fu Clones』(Carl Jones氏)
[PR]
by moviefan-z | 2011-01-30 09:54 |    :通用影業公司