趣味は映画の研究と映像収集。暇さえあれば作品鑑賞をしてますが、まだ未見の作品が棚にドッサリ・・・。香港・台湾・韓国・日本以外にも、東南アジア方面のアクション映画に関しても紹介します。
by moviefan-z


『成龍決鬥東洋客』

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邦題:ファイティングモンキー 昇龍拳
原題:成龍決鬥東洋客
英題:Not Scared to Die
製作:香港:大地影業公司,1972年

【物語】
 日中戦争時、禁止されている演目を上映した京劇団は、上映を止めに入った日本軍兵士と乱闘して指名手配されてしまう。京劇団員の范大頭たちは逃走中、車引きの老人を助けたのが縁で、彼の住む民家に身を隠すこととなるが、日本軍と結託した中国人自警団の捜索により、范大頭たちの居場所が明らかとなり・・・。

【解説】
 当時、新人武師として武侠映画や功夫映画に参加して来た成龍が、彼と同じく中国戯劇学院出身で姉弟子にあたる元秋の紹介により出演した抗日功夫映画。本作は成龍の初めての準主演作であり、若干18歳ながらも既に身軽なアクションを披露している。ちなみに、主演には邵氏兄弟有限公司の専属武師の王青が抜擢されたが、普段から〈大口青〉の愛称で親しまれている通り、大口で釣り目な顔立ちから主に悪役を専門として来たためか、正直言って爽やかさに欠けている。
 劇中、日本軍が上映を禁止していた演目は、名将の岳飛を題材にした『精忠報國』。実際の日中戦争時に、このような規制が掛けられていたかは不明だが、この『精忠報國』を訳すと『国に忠誠を尽くす』という意味になる。〈日本に背いて中国に忠誠を尽くす〉と考えると、日本軍が上映中の演目を止めに入るのも納得だ。また、劇中に登場する日本軍と結託する自警団(演じるのは、袁家班を筆頭に馮克安や任世官などの武師集団。武術指導は袁祥仁が担当)も凶悪人ばかりの集まりで、病気持ちの老人を集団で痛め付けたり、女性も子供も容赦せず惨殺する。その様子を妙に生々しく描いている気がして、同時期に製作された他の抗日功夫映画の中でも極めて陰惨な事態が展開される。
 本作は製作会社の大地影業公司の創業作となるが、興行的には大失敗し、公開後はお蔵入りとなった。だが、本作で準主演を務めた成龍の出世作『ドランクモンキー 酔拳』(78)が世界的に成功を収めたと同時に、本作の初期題名の『頂天立地』を改題して成龍主演作『北派功夫』として再公開された。本記事に載せているのは、台湾で再公開された際の海報で『成龍決鬥東洋客』と改題されている。

【参考資料】
映像 :北京語音声版VHS
     北京語,英語音声版VCD
     北京語音声,日本語字幕版DVD
書籍 :『ジャッキー・チェン シネアルバム』(日野康一氏,芳賀書店)
サイト :『香港娯樂圈發家史 功夫影帝成龍』
     (http://ahui598.blog.hexun.com.tw/22877808_d.html)

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by moviefan-z | 2010-05-10 09:55 |    :功夫片
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