趣味は映画の研究と映像収集。暇さえあれば作品鑑賞をしてますが、まだ未見の作品が棚にドッサリ・・・。香港・台湾・韓国・日本以外にも、東南アジア方面のアクション映画に関しても紹介します。
by moviefan-z


『爭一口氣』

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邦題:ジャングルヒート 戦慄のベトナム解放戦線
原題:爭一口氣
英題:Last Breath
製作:香港:雄師影業公司:明達影業有限公司,1983年

【物語】
 ベトナム軍の総攻撃により、死傷者の発生と弾薬の不足でアメリカ軍は窮地に追いやられる。この緊急事態を受けたアメリカ国家は、香港の適正検査に合格した徴兵を呼び集め、國忠隊長を筆頭に、力祥や柯雀などの曲者で固められた中国人の輸送部隊を編成する。激戦地のベトナムに送り込まれた彼らは、度重なる試練にも耐え抜き、パリ協定が調印されると同時に長期に渡って繰り広げられた戦争が幕を閉じた。無事に任務を終えて帰路に付く彼らだったが、待ち伏せしていたベトコンの襲撃に遭い・・・。

【解説】
 王星磊監督作『潮州怒漢』(72)で香港映画界に初登場して以来、『レディクンフー 密宗聖拳』(76)や『空飛ぶ十字剣』(77)などの傑作功夫映画に立て続けに主演し、その高度な足技から〈神腿〉と称された蹴撃武打星の譚道良が、本作の総監督も兼ねて主演した戦争アクション映画で、全編に渡って悲壮感溢れる役を熱演している。本作が彼の最後の主演作であり、その後はロサンゼルスに自身の道場を開いた。
 物語は中国人の輸送部隊とベトコンの死闘を描いているが、登場人物が次々と悲惨な最期を遂げるためか、鑑賞後は非常に不愉快な気分にさせてくれる。特に極悪集団のベトコンの処刑方法が凄まじく、捕らえた中国人兵士の頭を剃刀で切裂き、切口に水銀を流した途端、兵士が激しくもがき苦しむ。その瞬間、全身の皮膚がツルン!と剥がれ落ちて即死する。水銀があれほど強力な毒薬になるかは不明だが、思わず背筋が震えてしまう場面に違いない。他にも本物の鼠を燃やしたり、二人挽き鋸で腹を裂いたりと、トラウマ確実なショッキング場面が連続して映し出される。当時の香港または台湾映画界では、大量の南洋降頭映画が製作されて人気を博していたが、本作はそれらに匹敵するほどの凶悪さである。
 余談だが、本作には三種類の別編集版が存在している。譚道良と秦漢が主演した中華圏公開版の『爭一口氣』、本作の撮影地のタイから、国民的俳優のソラポン・チャトリの主演場面を追加撮影したタイ公開版の『戦争英雄』(83)、『フラッシュ・ゴードン』(80)で知られる肉体派俳優のサム・ジョーンズを招き、中華圏版で主演した譚道良や秦漢に再依頼して追加撮影した国際版の『Jungle Heat』(84)がある。国内では過去に、国際版が『ジャングルヒート 戦慄のベトナム解放戦線』の題名でビデオ発売されていた。

【参考資料】
映像 :英語音声,日本語字幕版VHS
     広東語音声,中英文焼付字幕版VHS
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by moviefan-z | 2011-04-02 11:11 |    :動作片
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